キミが好き。 お前を愛してる。
飾った言葉なんか要らない。 ただ、傍に居てくれるだけでいいんだ。
キミと言う存在が確かにここに在るのなら、それだけできっと幸せになれるから。
だからずっと傍に居て…。 離れないで…。
この手を離さずに、壊れるくらいに抱きしめていて。
『Player』
情事後、一騎と総士は縺れ合うようにしてベッドの中にいた。
腕の中に簡単に納まりきる総士を離すまいとする一騎と、猫の様に丸くなって全てを委ねている総士。
お互いにとって、この瞬間が何よりも幸せな時なのかもしれない。
深く繋がっている時よりも、大きな暖かい何かが確かにここにあるから。
ふと、総士が目を覚ますと、目の前には一騎が眠っていて、思わず飛び上がりそうになった。
何で…、と考えたけれど、そう言えば昨夜は一騎が泊まりに来たんだっけ…と昨晩の事を思い出し
身体が再び疼き出すような感覚に襲われる。
そんな自分の身体をギュッと押さえ込み、一騎を起さないようにそっとベッドを抜け出して
シャワーを浴びに行こうとした。
「まだ早いだろ」
そんな声が後方から聞こえたかと思えば、途中までベッドから抜け出していた身体は簡単に引き戻され、
再び目の前には一騎の姿。
「何だ、起きてたのか」
「総士が起きるよりちょっと前にね」
ギュッと抱き寄せ、額に軽くキスを落とす。
瞬間的に瞼を閉じた総士が可愛くて、軽く笑みを含んだ口元で顔中にキスの雨を降らしてやった。
時折ちゅっと音を立てるようにすると、総士の頬が僅かに赤く色付くのが見えた気がする。
「…っ、…一騎…」
どこか訴えるような、何かに縋るような瞳で一騎を見つめてくる総士に、一騎は思わず息を呑む。
何て眸で見てくるんだ…総士。
一度は全ての熱を開放した身体だったけれど、目の前に在る火種に今一度 持って行かれそうになり
着火寸前のところで一騎はある意味必死になって戦っていた。
「…あの…っ」
何か言いたそうにもぞもぞと一騎の腕の中で身じろぐ総士に、はっと思い出すようにして一騎は気が付く。
昨晩、散々 総士を抱き続け、己の欲を全て叩き込んだ。その後は2人して深い眠りにつき今に至る。
……恐らく、昨晩 一騎が吐き出した欲が溢れてきてしまっているのだろう。
「総士…」
抱きしめていた腕をそっと後方へと伸ばすと、ビクリと総士の身体が震える。
そのまま蕾の入り口付近へと手を漂わすと、思っていた通り…ぬるっとした感触が指先を通して感じ取れた。
「悪かったな…今、綺麗にしてやるから」
「えっ…ちょ、かずきっ」
そう言うや否や、一騎はぐっと指を内部へと押し進めていく。
一騎と総士のものが混ざり合った生暖かい体液が指へと絡みつき、ゆっくりと外へ掻き出しながら
一騎は今更な事の様に思う。
「こんなに毎回 総士の中に出してたら、いつか子供が出来ちまうかもな」
くすくすと笑いながら、それでも内部に出された体液を掻き出す指は休めずに一騎はそんな事を言う。
「…っ…は、ぁ…そんな、事ある、わけ……ぅあ…っ」
内部で四方八方に動く指先に耐えながら、それでも強気な言葉を返してくるのは総士らしいけれど…
そんな潤んだ瞳で睨まれてもちっとも説得力が無い。
必死に一騎の胸に縋りつきながら耐えてる総士と、どこか楽しげな一騎。
ただ内部に吐き出された体液を掻き出しているだけの筈なのに、
気が付けば一騎の指先はどこか別の所を探っている様な気がして、総士は慌てて一騎の腕から抜け出そうと試みた。
「ぁ…ん…っぁ…かず、……も、いいからっ…」
ぐいぐいと一騎の胸を押し返そうとしても敵うわけがなく、結局は一騎のいいように丸め込まれていく総士の細い身体。
指先は徐々に奥へと潜り込んで来て、総士の予想通り一騎は明らかに明確な意思を持って別の所を突いて来た。
「ひゃぁ…っ…あ…」
びくんっと大きく戦慄く総士の身体。 耳元で、一騎がふっと笑ったように感じた。
薄暗い室内に、再び濡れた音が壁を伝って反響する。
耳に付く その厭らしい音に、思わず耳を塞ぎたくなる衝動に駆られ、総士は懸命に一騎の胸の中へと顔を埋める。
「や…一騎…だめっ…や…ぁ……っ」
そんな可愛い声で拒絶の言葉を口にされても、反対に相手を煽るだけなのだと、総士は分かっているのだろうか。
最初こそは、本当に中のものを掻き出してやるだけのつもりだったんだけど…
マズイ。 ちょっと止まらなくなりそうな予感。
「なぁ、総士」
ふいに呼び止められ、総士はゆっくりと顔をあげる。
電気も全て消えている薄暗い室内だったけれど、流石にこんな至近距離では否応無しに相手の顔は確認できた。
何だか、瞳が赤いように見えるんですけど…。 僕の気のせいですか?
「総士は、俺の子供 欲しいと思った事はない?」
「…………………は?」
後方では未だ一騎の指先は総士の内部で弄んではいたけれど、あまりにも突拍子も無い質問に
思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
それと同時に一騎は指先を抜くと、ゆっくりと体勢を立て直し総士を自分の身体の下に組み敷くようにした。
「かず…き…」
散々 中を掻き回された所為か、熱い吐息を漏らしながら総士は一騎を見つめる。
ハッキリとは確認できないけれど、きっと肌は上気して薄いピンク色をしているのだろう。
一騎はそんな総士に生唾を飲み込むと、両手でそっと頬を包み込み
まるで硝子細工でも扱うかのように優しく…優しく唇を重ね合わせた。
「ん…ん……っ…」
総士もまた、抵抗などせずに存外あっさりと一騎を受け入れる。
ゆっくりと互いの舌を絡め合わせ、ふ、と総士が息を吐いた瞬間にちゅっと舌先を吸い上げ
一騎は口腔へ舌を潜り込ませた。 軽く上顎をなぞり、再び絡めては探るようにして深く口付ける。
「んっ…は…ぁ…んぅっ」
流石に苦しくなってきたのだろう。 力の入らない掌で一騎の厚い胸を必死に押し返している。
先程から、何度も総士の喉元も鳴っていた。
一騎と総士の唾液が混ざり合い、それを懸命になって飲み下している姿は何とも言えないほど可愛くて…。
少々名残惜し気ながらも、一騎はそっと開放してやる。
「ふぁ…っ…は、はぁ…はぁ……」
「総士…俺、総士が一番好きだよ」
一騎よりずっと細くて、華奢な総士の身体を包み込むようにして抱きしめ 耳元で甘く囁く。
総士が一番好きな…甘くて優しい一騎の低音。
「……僕も。」
自分よりも大きな背中にそっと手を回し、一騎の肩口に顔を埋めながら総士もそれに応える。
本当は言葉なんて要らないけれど、何度だって言いたいから。
何百回、何千回 伝えても言い足りないくらいに愛しくて大切な恋人。
「…一騎との子供…もし作れたとしても、今は未だ遠慮したいかな」
「どうして?」
「だって…」
背に回していた手を、今度は総士が包み込むようにして一騎の頬に触れ、すっと引き寄せてキスをした。
「今は未だ、一騎を独り占めしたいから」
END
総士なら、普通に性別の壁を乗り越えて妊娠してそうなんですが…
やっぱ無理ですか?(誰に聞いてるの)
何だか、2人ならどこまでも一緒に堕ちて行けそうですよね。
赤信号 みんなで渡れば 怖くない ぐらいの勢いで。(意味不明)
こんなモノになってしまいましたが、一応10万hitお礼小説です。
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2005・6・19
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