ほんのりと暗闇に灯る月明かりの下、そこには穏やかで優しい空気が全てを包み込む。 やわらかくて、あったかくて。昼間の眩しい太陽とは正反対の……神秘的な世界。 こんな夜は、好きな人と寄り添っていられたら どんなに幸せだろう。 君にこんな話を持ち掛けたら、軽くほくそ笑んでいたよね。同じ事を考えていたって……。 「やぁあぁっ!!」 しん…っと静まり返っていた少し広めの室内に、明らかに窓の外の世界とは違う張り詰めた空気が充満していく。 必死に抵抗を始めた総士の腕を、引き裂くかのように剥いだ衣服で縛り上げ、 更に上から一騎が頭上でその両手首を固定し、意図も簡単にその身体を封じ込めていった。 「抵抗しても無駄なの分かってるくせに。」 びくんっと震え、脅えきった瞳が一騎を見上げる。 もう言葉にする事さえ出来なくなった口元は、いつもの艶のある淡い赤みを帯びてはいない。 恐怖の余りか僅かに青ざめ、小刻みに震えを起こすも、けれど必死に唇を噛み締め悟られぬようにと…… そんな総士の姿が目の前に晒され、一騎は更に過剰心を揺さ振られていく。 「……か、ずき…」 普段大人びていた声からは想像もつかない程の弱々しい声に、一騎は優越感にも似た感覚を感じていた。 力の限り捻じ伏せて、己だけのモノにして、そうして手に入れた何よりも愛しい存在。 お互いに想いを寄せ合っていても、己だけの存在でいて欲しいと願うのは、きっと誰もが同じ。 「……や……あぁ…っ…アッ」 ほんの少しの間だけ止まっていた胸への愛撫を再開すれば、当然の如くそれに応える様に総士の口元からは 甘い響きを静かな部屋中に轟かせ、更に反響して一騎の奥深くにある神経細胞を強く刺激した。 「あんまり声 出すと……隣に聞こえるよ?」 明らかに不敵な笑みを浮かべ、けれど どこか甘いような吐息交じりで一騎はそっと総士の耳元で囁く。 一瞬、何の事だか総士には分からなかった。 強引に唇を奪われ、強制的に与えられ始めた快楽に 思考も意識も侵食されていき、半ば蕩けかけた脳は現実を理解するまでに追いついては来なかったのだ。 「ふ……っ……ぅっ…ん……」 ようやく事の展開を理解し始めた頃にはもう遅い。 咄嗟にキツク奥歯を噛み締めるも、溢れ出る甘い嬌声を止められる筈もなく、結局は無駄な足掻きで終わる。 瞬時に掌で口元を押さえようと脳が信号を伝達しても、その両腕は一騎によって頑なに封じられ まったく使いモノにはならなかった。 そんな総士を見兼ねてか、あるいは初めからそんな事は想定の内だったのか、一騎はズボンのポケットから 少し小さめのタオルにも酷似したハンカチを取り出し、事も有ろうか総士の口へと押し込んでいく。 「…んんっ……んぐっ……ん…、ンッ!」 いきなりタオルで猿轡を噛まされ、塞がれた口からは急激に酸素が奪われていった。 そこで改めて総士は己の身に何をされるのか………ハッキリと、嫌な程に悟ってしまう。 封じられた両腕の開放を求め 思いっきり力を込めて振り解こうと試みてみたり、 僅かな隙間から抜け出そうと必死になって腰を捻り、一騎の拘束から抜け出そうとする。 しかし、所詮それは総士の力では敵わないものだった。 「その顔。 俺を誘ってるのか?」 脾肉にも似た声音で一騎が言葉を発する。 ざわざわと湧き起こる不安と、背筋が凍り付くほどの冷たい視線を浴びせられ、 総士は唯一自由の効く首を必死に左右に振って否定するが、素直に応えてしまう身体だけは否定できない。 「んっ…ん…っ……」 断続的に与えられる胸への愛撫に翻弄され、ふいに噛み散らされる快感に自然と背が反り返る。 結果的に胸を突き出すような形になり、更にその赤みを一騎に吸い付かれていった。 「……ふ…、ンッ……んんっ!」 縛られている所為か、それとも隣に聞こえてしまうのではないかと言う思いがある所為か、 普段より鋭敏に反応を示してくる総士に、一騎はクッと喉の奥で嘲笑うかのように声を漏らす。 そのまま器用に総士の下半身を覆っている全ての衣服を剥ぎ取ると、 力なく露わにされた中心に そっと手を触れ、指を絡ませ、ゆっくりと快楽を与えてゆく。 「うぅ…んっ、んんーっ!」 思った通りの反応……、いや、それ以上の示し方に、一瞬 一騎の手に力が篭った。 「何だよ、総士。 めちゃめちゃ感じてんじゃん。」 総士の中心に触れてる一騎の指が確かめるように動き、愉しむかのように強く握り締める。 その度に襲い来る快楽の波に、総士は否応無しに感じるしか術がなかった。 「くっ、ん…ふぅ…っ………ンッ、んっ……」 熱の混じった嬌声がタオルによって吸収され、くぐもった声を発しながら自然と総士は身体を摺り寄せる。 ほぼ無意識の内にもっと強い刺激を求め、自らも腰を揺らし始め一騎を煽っていた。 「そんなに気持ちいい?」 自分でも分かる位にそこは濡れていて一騎の掌を汚していたが、総士は咄嗟に否定するべく首を横に振る。 あくまで認めたくはなかったのだ。 訳も分からずこんな形で抱かれ、それに感じてしまう自分など……。 「…っ……ふ……んっ、んっ…」 「その強がりも、どのくらい保っていらるか楽しみだな。」 その言葉と共に一騎は掌をゆっくりと中心からスライドさせ、総士の内腿の辺りを撫で回しながらジラしていたかと思うと、 突然奥に隠れていた蕾へ長い指を差し込んできた。 「んく…っ!んんーっ!!」 一気に身体の内部から痺れるような快感に全て飲み込まれていく。 ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が総士の鼓膜へと響き、まるで聞かせるかのように一騎は激しく指の出し入れを繰り返す。 いっそ無遠慮なほどに内壁を引っ掻き回せば、総士の身体は波の様に打ち震え跳ね上がり、快感を主張していた。 そんな総士の反応を愉しみながら、一騎は更に指の本数を増やし、更に総士の身体を煽っていく。 「……っぅ…ぐ、…ふぅ……ふ…っ」 一本……また一本と指を増やされ、その感覚でさえ嫌になるほど総士は己の身体で感じ取っていた。 奥を追求される度に じくじくと脳を溶かす快感に襲われ、徐々に呼吸が著しく低下し始める。 塞がれている口からは、熱くなった息を吐き出す事も 新たに酸素を取り入れる事も出来ず、 次第に意識も朦朧としていき何が何だか分からなくなっていた。 ただ、その意識とは無関係に身体だけは素直に快楽を主張している……と言う事を除いて。 「このまま指だけでイってみる?」 探るようにしていた指先を内部で折り曲げ、前立腺を刺激しながらの問い掛け。 もっとも弱い部分を刺激され、総士は簡単に己の身を一騎へと明け渡す。 もう、どうでも良かった。 どんなに言葉で嬲られても、快楽という渦からは抜け出せないのだから。 「…んんっ……、ンッ、くぅっ……んっ!」 既にまともに呼吸が出来ない程に息は荒れ、顔は涙でぐしょぐしょになり一騎のされるがままに自然と足を開く。 心も身体も何もかもを委ね、早く………自由になりたくて。 「―――――っ、くっ…んんっっ!!!」 一瞬 総士が足を開いた隙を突いて一騎が激しく指を差し込めば、簡単な程あっけなく総士は精を放つ。 満足そうに口角を吊り上げる一騎と、息も絶え絶えな総士。 ようやく開放される……と言う思いが総士の心に過ぎったかと思えば、それはすぐさま掻き消されていく。 穏やかだった筈の一騎の瞳が、優しかった筈の声が、遠くで…………冷たく響き渡っていた。 To Be Continue スミマセン、スミマセン……(あわわ;) まだ終わってなくてゴメンなさい!また続いてしまってゴメンなさい!! エロばっかでゴメンなさい!!(死) 次は……果たして16禁で収まるか果てしなく不安。(まだエロやる気か!) 本気で拍手で公開してていいのだろうか…。(滝汗) 2005・1・23 |